セネガルIT・通信事情

みなさまこんにちは。JAPON COMMERCEの山田です。

今回はセネガルのIT・通信事情(主に企業の)について、私見で簡単にまとめてみます。

 

携帯・PC・タブレット

携帯電話は広く普及している。調査(※)によると、2014年時点で普及率は84%、うちスマートフォン利用者は15%との事。複数台持っている人も珍しくない。文字の読み書きが問題なくできる人、学歴が高い人ほどスマートフォン利用者も多い傾向にある。一部の企業を除き、端末支給よりもBYOD(個人所有端末を業務利用する事)が一般的と言える。

パソコンは、大学生やビジネスパーソンに普及している。個人でデスクトップを保有する人はごく稀で、基本はノートPC。企業はデスクトップとノートPC、いずれも利用している。

タブレットの利用者も見かけるが、その数は携帯電話と比較するとぐっと減る。

 

インターネット接続

携帯3社が各自Wi-Fiサービスを打ち出している。最大速度は10MBで、スカイプでのビデオ通話はできる位の通信速度は出る。

携帯電話では3G回線によるネット接続が可能で、携帯電話によるテザリングの方がWi-Fiよりも安定してかつ高速なのが現状だ。なお、ごく一部だがLTEが通じる地区もある。

 

クラウド

ごく一部の企業を除き活用されていない。個人ではOneDrive利用者が稀にいる。

 

私自身セネガルに来てから、日本では活用していたクラウドサービスの利用をやめている。理由は、回線速度が低速すぎて、アップロードや同期に時間がかかるからだ。また、携帯での通信は従量課金制でありコストがかさむ事もネックだ。

 

バックアップ

意識が非常に低い。個人でバックアップを取っているという人の話は聞いた事が無いし、企業でもそのような体制が整っているのはごく一部である。

 

 

Webマーケティング

自社サイトが無い企業・組織の方が多い。

まだまだwebマーケティングの意識は低く、多くの企業のweb活用と言うと、Facebookや無料の情報投稿サイトくらいである。

企業ブログを書く、オウンドメディアを育てる、といった意識のある企業は皆無と言っていいだろう。

 

コミュニケーション

個人・企業問わず、一番好まれているのは「音声によるコミュニケーション」、つまり電話だ。

またWhatsapp、現在楽天傘下のViberなどのアプリを通じたメッセージによるコミュニケーションも人気で、ボイスメッセージも好まれている。Eメールだと一切返事が来ない相手が、このアプリだとしっかり返事が来る事もある。なお、Facebook利用者は非常に多いが、なぜかMessengerアプリの利用者は少ない。

とは言え、携帯電話で常時インターネットに接続できる人はまだまだ少数派のため(セネガルでは必要な時に必要な分だけインターネット利用代を支払うという人が多い)、いまだSMSが広く活用されている。

 

 

セキュリティ

意識が非常に低い。

 

 

グループウェア・勤怠管理ソフト・SFA(営業支援ツール)

社内の情報共有を促進したり、社員の行動を可視化する仕組みは定着していない。余談だが、日本は仕事が属人的だと言われるが、セネガルの百倍マシである。セネガルでは担当者しか知らない事、できない事がとても多く、休暇により二週間、時には一か月以上業務がストップする事も珍しくない。

 

 

 

セネガルでのIT活用はまだまだこれからです。

 

JAPON COMMERCE SUARL
山田一雅

 

(※)

Cell Phones in Africa: Communication Lifeline(Pew Research Center)

http://www.pewglobal.org/2015/04/15/cell-phones-in-africa-communication-lifeline/